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本誌続き妄想③(act.179 黒の息吹~)



さて、いよいよ危険な続き妄想です。

はたして続き、どうしよう。。。
(パス付にした方がいいかも…?)


でわでわ、追記へどうぞ↓








「…最上さん」

「…はい」

「驚いた?…この眼。」

「…驚いたに決まってるじゃないですか」

「そうだよね」


上から見下ろす、彼女の顔が近い。

ただ、最上さんは意外と冷静で。

俺がこんな体勢で、そしてカインではなく敦賀蓮として話し掛けても普段通り答えてくれた。


「…すごく、綺麗だと思います」

「…ありがとう。けど…出来ればまだ気づかれたくなかったんだ」

「これが、本当の俺だから」


最上さんは目を見開いて、不安そうな顔をしていた。


「彼は作り物なんだ。」


彼女の不安を煽るかのように、その暖かい腕を更に強く握りしめる。


「本当の俺はもっと暴力的で危険だ。
君みたいな優しい子が近くにいてはいけないほどに。」

何を仕出かすかわからない。

「…制御が出来ないかもしれない」


君の力を借りて、クオンに打ち勝つことが出来ると思った。

でも。
それは俺の期待で、願望で。


今日、思い知らされた。


このままだと必ずまた、意識が囚われ身動きが取れなくなる。

そんな時、頼りたいと思うのはあまりに自分勝手だ。

クオンは、君にだって何をするかわからないから。


「……危険って、どういう意味ですか?」

「例えば、このまま君を襲うかもしれない」


嘘じゃない。
敦賀蓮でさえ、君に対しては欲望を押さえるのに苦労している。


「…紳士にあるまじき行為ですね。」

「そう…、でもそれがホントだ」

「…前に、私には何もしないって言ってたのは嘘ですか?」

「本当だよ…?『敦賀蓮』なら、ね。」


…あの時だって危険だった。

最上さんがあの後すぐいつもの反応をしてくれたから、俺も戻れたけれど。

『私をどうにかしたいって、言ってます?』

なんて煽られて、今すぐどうにかしてやりたくなったのは本音でしかない。


「…不可解ですね。」

「どうして?」

「まるで、敦賀さんは自分自身を演技で隠していたみたいな言い方をしてます。」


クオンを隠すため。
俺自身を隠すために作り出した存在。

知らない土地で一からやり直すためにはどうしても彼になることが必要だった。

ただ、それでも時々君には本音を引き出されていた。

今のように。


「…正解だよ」

「でも、だったらどうしてそんなことしてまで、役者をしてるんですか?」

「…知りたい?」

「……はい…」

「…電気、消してみる?」

「どうしてですか…?」

「知りたいんだろう?…俺のこと。」

「教えてあげるよ、ここで」




お願いだから。

早く逃げてくれ。

後戻りができなくなる前に。












*****






私が強がってみせたのは。


私の知らない敦賀さんの瞳の奥が、実はすごく寂しそうで、とても辛そうだったから。

それをどうしたら救えるのか、考えてみたけれど、答えは一つしか出なかった。

どんな魔法も。
どんなに良く効く薬も。

きっと効果はない。

私には、きっと救えないほどの話だ。

……出来ることがあるとしたら、聞いてあげることしかできない。

だから決して、こうなりたいとか。
望んだわけではないと、のちに私は自分自身に苦しい言い訳することになる。








彼は部屋を暗くした。

宵闇は、何もかもを覆い隠す。

敦賀さんの表情や私の心情も。


ここまでなら、まだ逃げることが出来たかもしれない。

まだ、何もない。始まってない。

けれどこのまま逃げたら、敦賀さんのことを知る機会はもうない。
ただ傷つけてしまうだけな気がした。


だから彼が両腕を開放してくれて、電気を消しに行っている間も、私はベッドから起き上がろうとせずただ寝そべっていたんだと思う。


傷つけられようとしているのは明らかに私なのに。


敦賀さんが着ていた上着を脱いだのは、バサッとソファに掛けた音を聞いてわかった。

そして、さっきよりも強い力で引き寄せられ、抱き締められた。

耳元で彼が囁く。


「…暴れないでね…?やりづらくなるから」


その言葉を最後に、私は言葉を発せられないぐらい猛烈で、熱烈な洗礼を受けた。














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唇にキスをされるのは、正確に言えば2回目になる。



もう、後戻りは出来ないと思った。








つづく





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