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本誌続き妄想②(act.179 黒の息吹~)



本編も暗いのでミシャの妄想もかなり暗めでございます。

うーん、危険な流れだ。(笑)

でわでわ、続きへどうぞ↓










闇が支配してゆく。

落ちるところまで落ちたことのある人間だけが知る闇然。

抜け出せない、孤独。

また――…思い出した。












……演技中に自分に戻る、ということがこんなに恐ろしいことだとは思わなかった。


彼が、リハーサルとは違う動きを見せた時。


クオンはそれを楽しんでいたらしく。

俺はアイツに支配された。







『あなたは、誰なの?』



セツの声が頭に響く。


あの時の俺はカイン・ヒールでもなければBJでもなく、ましてや敦賀蓮でもなかった。


『演技』だって誤魔化せなかったのは、それが無意識だった所為。


そして、彼女に見られてしまった。


本当の俺の一部を。










*****



「社長」

「おー、何だ蓮。わざわざ出向かんでも話があるなら電話してくれりゃあいいのに。」


正面のドアを開けると、社長はいつものソファに腰を掛け寛いでいた。


「いえ、直接話したかったので」


携帯電話をテーブルに置き、ふぅとため息をついた後、葉巻を吹かす。


「そうか、まぁ大体察しはつくがな。
さっき最上くんからも電話で相談は受けた。」

「最上さんに一部を話そうと思います」


もう、決めていた。

その発言が意外だったのか、社長は一瞬目を見開いたが、すぐに不敵な笑みを浮かべ、答えた。


「あぁ、いいんじゃねーか?彼女も何も知らんでこのままお前と暮らすのはむず痒いだろうしな。」


「……ただ、あの子の受け取り方によってセツの存在が無くなるかもしれません」


例え、彼女との関係が壊れてしまったとしても。


「……お前がどこまで話す気なのかは知らんが、それでいいなら俺は別にいいけどよ。」

「それだけ、報告しにきました」

「…ああ」


社長はそれ以上何も言わず、俺も具体的にどこまで話すのか、そしてこれから彼女に何をするのかは語らず、部屋を後にした。







*****





ピー、バタン。

部屋のロックか解除され、ドアが開き、閉まった。

彼が、ホテルに帰ってきた―――…






兄さんは用事があるといって撮影後、一人で出かけて行った。


だから、あれから敦賀さんとは真面に会話をしていない。


革靴の擦れる音を聞いて、彼が近づいてくるのを感じた。


「おかえり…、兄さん」


私は彼を見ないまま、人影だけ横目で確認して声を発した。

すると、突然。










cqbzR.png



兄さんらしき人物に腕を掴まれ、近くのベッドへ押し倒された。

私は羽交い絞めにされ身動きが取れないような体勢になり、更に手首を締め付けられる。

驚いて彼と目が合うと、さっき鏡で見た綺麗な瞳が私を見つめていて。

その綺麗なブルーの瞳は、カイン兄さんには合わないなって、なんだか冷静に思ってしまった。


「…最上さん。」


…まさか、ここで自分の名前を呼ばれると思わず、また私は驚いた。

てっきり、こんなことするのはカイン兄さんだと思っていたから。

でも、今私に話しかけているのが敦賀さんだとわかって、余計に怖くなった。


兄と妹だという設定でないなら。


敦賀さんが私にこんなことをする理由が思いつかない。



『…すまんが、俺の口からは何も言えなくてな…、蓮に直接聞いてくれるか?』


社長さんからそう聞いた時、なんとなく踏み込んではいけない領域な気がして戸惑った。

聞きたいけれど、聞きたくない。


いや本当は聞きたい。

でも、聞いていいのかわからない。

話してくれるかもわからない。

そして、ただの勘だけど。
聞いてしまうと、敦賀さんと私の間にある何かが埋まりそうな気がして。


私は、それが一番怖かった。




つづく
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