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ACT.176 ヒーローズ・ハイ 表紙妄想(後編)

すみません、間が開きすぎたので前の話リンク貼っときます↓

ACT.176 ヒーローズ・ハイ 表紙妄想(前編)

ACT.176 ヒーローズ・ハイ 表紙妄想(中編)


でわでわ、追記へどうぞm(__)m
















「お疲れ、蓮。
はい、水。」

「ありがとうございます。
社さん」


撮影後。

彼女と目を合わせないためにすぐその場を立ち去り、楽屋へ戻った。


そんな俺の後ろで社さんが何か言いたげにしてついてきているのにも気づいていた。


「…なぁ蓮。
お前最後のシーン、芝居忘れてただろ。」

(ギクッ)

「まさか。
そんなことあるわけないじゃないですか。」

「とぼけても無駄。
お兄さんには全部お見通しです。」

「…………」

「…まぁ、あんな濃厚に絡み合うシーンやらされたんじゃいくら蓮でも誤解したって不思議じゃないと思うけどさー。
しかも劇中じゃ『蓮』『キョーコ』呼びだもんな。
いくらパロディ色が強いからってあれはいくらなんでも…」




俺だって、嫌な予感はしてた。

台本をもらった時に、役柄となんだか嫌に心境が重なる部分が多くて。

おまけに役名が決まってなかったから、最初は俺も面白半分で素で呼び合おうって提案してしまった。

それも不味かったんだ、本当は。

まさかDARKMOONごっこの時の再来があるなんて夢にも思わなかった。
(しかも、今回はホントに撮影中…。)


『カット』の声が聞こえなかったら、一体俺はどこまで本気だったんだろう。


役と一緒でそのまま我慢出来ず彼女に手を出していたのだろうか。


少なくとも今回は制御が利かなくなっていた自信だけはある。



「そいえば、途中からアドリブだったよな(にやり)」

「…はい。」

「で。これからどーすんの?お前。」

「…どーするって。なんですか、一体。(どーもしませんよ)」

「だってキョーコちゃん、たぶん気づいてたよ?お前が本気だったのに。」

「えっ」

「お前が逃げるように現場立ち去ってからのキョーコちゃん、顔おかしかったもん。」

「…いや、だって彼女ですよ?
きっと慣れないシーンの撮影の後で放心状態になってただけじゃ…」

「いや、あれは間違いなく恋する女の子の目だったね。」

「………。まさか…。」

「…いや、間違いないと思うぞ?
ていうか、俺としてはそろそろいい加減『ヘタ蓮』卒業してほしいんだけど。(敦賀蓮のイメージにも繋がるから。)」

「ヘタレって…」

「いやだって、お前自覚してから何か月経ってると思ってんのさ。
俺はもうお前がただ自分にドМな人間なのか、もしくは幸せになる気がないとしか思えないね。」

「………。」

「このままの関係を続けたいって思ってんなら、この後きちんと弁解した方がいいぞ」

「…えぇ。そうですね」














*****







「…最上さん。」

「あ、敦賀さん、社さん、お疲れ様です」

「おつかれさま~。キョーコちゃん」


地下の駐車場まで蓮と二人で移動すると、噂の張本人がどうやら俺達が来るのを待っていてくれてたみたいで、ラブミーつなぎを着たキョーコちゃんは礼儀正しくお辞儀をしていた。


「帰るところ?よかったら送っていくよ」

「あっ…、いやっ…は、はい。いつもすみません。ありがとうございます」


(ん?)


「あ!そっか。今日は二人ともホテルじゃないんだっけ。(忘れてた)」

「「…。」」


なんだ、残念だな。
ホテルで話し合って、少しは二人の関係も進展するかなって期待してたのに。

手ぇ出しちゃ大変だけど、蓮だってそこはわかってるはずだからな。
(俺だけじゃなく、社長にも言われたぐらいだし。)

お兄さんとしては、ホントにせめてヘタ蓮だけは卒業してほしいって気持ちなんだけど。

……よし!


「あ!そうだ!俺事務所に用事があったんだ!
ごめん蓮、俺タクシーで事務所寄ってから帰るから!じゃあな!また明日!」

「「えっ」」


…むふふ、やっぱりここは二人きりにさせるべきだよね。
二人のキューピットとしては…ww


頑張れ蓮―!
俺はお前の幸せを心の中で祈ってるぞー!!












*****




「「…………」」

(ど、どうしよう…。会話がない…。)

いつも送ってもらってる癖で、つい「はい」って返事をしちゃったけど…やっぱり断れば良かった。

だって。
車内の空気が。
すごく重たいの。

…そりゃ断って、変に私が意識してるって勘付かれるのも嫌よ?

でもこんな空気の中沈黙が続くんじゃ、こっちはさっきのあれを嫌でも思い出しちゃうじゃないのよ…!!><

てっきり社さんもいてくれるものだと思って安心してたのに…(泣)


そんな車内の沈黙を破ったのは、敦賀さんの意外すぎる一言だった。


「…最上さん」

「はっ、はい!」

「…お腹、空いてない?」

「え?!…あ、ちょっとだけ…。」

「俺も。じゃあ一緒に食べようよ」

「…………。」

「…嫌?」

「め!滅相もございません!!ぜひご一緒させてください!!!」

「うん、じゃあなんか買ってから帰ろうか。」

「…はい。」


…敦賀さんが、自分から食事を取りたいなんて…。

何事??

…もしかして、また何か悩み事でもあるのかしら。

…しかも、私はまた自宅にお呼ばれするのね…。














*****



食事を終えた後。

別に何を言おうとしていたわけでもないのに、俺は君のことを見つめていたらしく。

彼女は不思議そうに首を傾げ、少し困った様子だった。


「……あの、私の顔に何かついてますか?」

「…いや」

「そ、そうですか」



車内でも特別変わった様子はなくて。
まだ社さんの考え過ぎじゃないかと思わずにはいられなかった。


でもそれを確かめるのにはただ送るだけの時間では短すぎて…。

だからいつもみたいに、食事に誘ってみた。


最上さんなら、俺が食事を取りたいって言えば付き合ってくれると思ったし、断られない自信もあった。


ただ、二人っきりになってしまったことで俺の方が君をまた意識してしまう破目になったのは誤算だった。


自業自得すぎて情けない…。


そんな自己嫌悪からか、少し試してみたくなった俺は、別の方向から君の気持ちを確かめてみることにした。



「ねぇ最上さん、少し例え話をしてもいい?」

「?はい、どんなですか?」

「もし、妖精のコーンが突然君の前に現れたとして。
それで、最上さんのことを迎えに来たって言ったら、どーする?」


「……それって、もしかして今回の撮影の話と重ねてます?」


「…うん、ちょっとね。
で?どうする?」


「…コーンにまた会えるんでしたら、そんなに嬉しいことはないです。
でも、コーンが私を迎えに来るなんて有りえないですし…」


「そのコーンが、君のことを好きだから、迎えに来たって言ったら?」


「コッ!コーンがですか?!!////
いや、そんな恐れ多い…。
でも、もし例えそんな奇跡が起こったとしてもあの話のヒロインみたいに私が心奪われることはないと思います。
あの子はたぶん、ヴァンパイアな敦賀さんに結局初めから恋をしてたんだと思います。
だから、正体を知って最初は怖いと思っていながらも最終的にはゆだねちゃったんではないかと。
だから私がコーンと再会したところで…」


「…じゃあ、そのコーンが俺だったら、どーする?」

「えっ?」


フリーズしている君のその後の反応を確認したくて。
しばらく、見つめていた。


「…あっ////」

真っ赤になった最上さんの顔をみて、ようやく俺は我に返った。

本人も赤くなった自分の顔に気づき、必死で自分の顔を手で覆い隠しながら言い訳をしている。


「こ!!これはその…!なんでもないんです!!////別に敦賀さんだからとか関係ないですから!!ただ、有りえないですけどっ!…妖精のコーンが敦賀さんだったら嬉しい、なんてちょっと思ってしまっただけで…!あ!!!////いや!深い意味は無いんです!!////」


それはつまり、俺が迎えに行くなら君は受け入れてくれるって意味にとれて。

そんな本音を聞き出してどうするんだと、今更ながら思ってしまった。

嬉しすぎて、ますます手が出そうになる。

…いや、もう遅いかもしれない。


「くすっ、そっか…。
じゃあそれは、『俺』がコーンなら君は全部俺にゆだねてくれるって受け止めていいのかな?」

「なっ!!!!/////」


本当は、君に手を出すつもりはないって、撮影時の俺の行動には意味は無いんだって伝えなくてはならなかった。
はずだった。

まだ、君と幸せになる権利は俺にはない。


でも、俺はもう本音を隠し通せないみたいだ。


望んでしまった、俺自身が。
君の身体を、欲しいって。



「わ!わたし、そろそろ帰ります!!!」


逃げるように慌てて立ち上がった最上さんを追いかけて、開こうとしていたリビングのドアを後ろから押し込み、閉めた。


そして脅えた君の耳元で、また少し、遊んでみることにした。


『…キョーコちゃん?』

「!!!!!」

『こっちを向いて?』

「つ、敦賀さん?!」

『君に会いに来たんだ』

「ちょっと!!からかわないで下さい!!!」


耳まで真っ赤になりながら、怒って振り返ったその顔がまたすごく魅力的で。


もう俺は君をタダで帰す気はなかった。



「…くすっ、ごめんごめん、君から聞いてたコーンのイメージだと、こんな感じかなって思って」

「!!……確かにちょっと似てましたケド…」

「そうだった?(にこにこ)」

「でも!コーンは金髪で!もっと王子様みたいな気品があるんです!!!やっぱり敦賀さんとは違います!!」

「そっか……ぷっ…ははっ…」

「笑―わーなーいーでー下―さーいぃぃぃーーー!!!////」


気品があると言われると、そうだったかは分からないが、いつか本当のことを言った時に、君なら喜んでくれるんだろうなって思って嬉しくなる。


「…やっぱり、敦賀さんがコーンだったら嫌です。」

「本当に…?(キラキラ)」

「うっ…////」

「喜んでたよね…?」

「そ、そんなこと…!!
敦賀さんこそどーなんですか?!
撮影の時、私のこと…」

「あぁ、本気だったよ」

「!!」

「だって、可愛いんだもん、君が」

「!!もう!からかったって信じませんから!!」

「からかってないよ?」















Ve10D.png










「これが俺の本音」

「最上さん、逃げるなら今だよ?」

「…逃げられません」

「じゃあ、受け入れてね?」










朝。
迎えに来た社さんが玄関にある見慣れた靴を見て、まさか手を出したのかと俺の胸倉を掴んで問いただしたのはまた別のお話。



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