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~妄想ブログ①~ある日の夜… 





(…―――参ったな…)





ホテルの部屋に戻ってきてすぐ。



それまで深い眠りの中にいたセツの格好の最上さんは、一瞬目を覚まし



「……兄さん、ありがとっ!着替えてく…る…ゎ…っ」


「……ぁ危なっ…!!」



言い終える前にまた意識を失い、倒れこんだ為、俺は彼女を抱きかかえるようにして支えた。



jpg (4)







【―――6時間前……】



"DARKMOON"の撮影終了後、本日は久々に共演者、スタッフが集まり、打ち上げが行われる日だった。



有難いことに高視聴率の人気ドラマだった為、打ち上げも携わったスタッフほぼ全員参加の大がかりなものとなり、会場も大きい。



ヒール兄妹を演じ始めてから数日が経ち、決して今の生活に慣れたわけではないが、今のところ初日ほど色々な意味で問題は起きてなかった。



俺はB・J役のカイン・ヒールとして映画の撮影に向かい、敦賀蓮に着替えた後、打ち上げへ向かうスケジュール。



彼女もBOX"R"の撮影の後こちらへ向かうことになっている。



「キョーコちゃん、今日やっぱりナツの姿で来るのかなぁ…」



事務所で合流した、俺のマネージャーの社さんが駐車場に向かうエレベーターの中で独り言のようにそう呟くと、ナツの彼女を思い出さずにはいられなかった。



「…確か、ギリギリになりそうだからそのまま向かうって言ってましたよ」


「じゃあこっちも早く行かないとな、今度こそ悪い虫に憑かれかねないぞ」


「……。」



毎回うちの敏腕マネージャーには驚かされるが……


…――まさかあれにも気づいてたんですか?



「あの貴島も動いたし、これ以上お前を脅かす奴が出てきてもなぁ…」



それは、先日偶然ロケ場所が一緒で、カーアクションシーンの撮影を心配した最上さんが俺に会いに来てくれた時。



ナツ仕様の彼女の変貌に驚きと愛しさを感じていたら、後ろで座っていた貴島が立ち上がる音がして…彼のことだから好奇心で動いただけだろうけど、無意識に彼女を見せたくない衝動に駆られた。



「無自覚にしろさぁ、バレインタインデーにお前だけ特別ワインゼリーを作ったキョーコちゃんの気持ちは、確実に蓮に向かってるはずだろ?
なのに、結局あの後もなんの進展もないし…。
ここでまた新たな男が登場されても、見守るこっちが困るっつの…」



そう腕組みしながら溜め息混じりに呟く社さんに、黙って聞いてることしか出来なかった。



(……今の俺としては、どっちも困りますから。)



最上さんと何かあっても、これ以上彼女に好意を抱く男が増えても……。



…―――なんて、最近は何もないことに対しても困っている気がするけど。



この間バスルームを覗かれた時の一件以来もう、ついもうっかりも可動しないほど異性として意識されてないことがわかったばかりだし。



あの子に期待はしてないつもりでいたんだ。

だが、いざ本当に意識されてないことがわかると…どうしても気持ちがヘコんでしまう。



「まぁお前が側にいれない時は俺が見ててやるからさっ」



少しはお兄さん頼れよなって表情の社さんに俺は自然と笑みがこぼれた。



「…ありがとうございます。そろそろ向かいましょうか」


「ああ、そうだな」



そんな会話の中、俺達はすでに始まっているであろう打ち上げ会場へと、タクシーに乗り込み向かい始めた。




…続く



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