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ACT.169 中表紙妄想





一応、ネタバレ含まれますのでご注意を。
(ちょっとパラレルっぽいカンジ?)



追記↓











「……お一人ですか?」


「えっ…?」



晴れの日の昼下がり。


今日もお城をこっそり脱け出して、大好きなお花畑で妖精達と戯れていた時のこと。


一人の男性が私の前に現れた。



「……あちらの城のお姫様でいらっしゃいますよね?」


「え…えぇ…」



(お、男の人…き、緊張するわ……)


普段自分の世話係か、人間ではない者達としか会話をしない私が、知らない…ましてや男性と会話をするなんて、久しぶりすぎてドギマギしてしまった。


それに…。

(……この場所に私以外の人が来たこと自体、珍しいことなのよ…。)


幼い頃から訪れているココは、唯一1人きりになれる憩いの場所。


周辺が木々に囲まれているせいか、お城の人間もこの場所を知る者はあまりいない。


そのお陰で、フェアリー達もここでは羽を伸ばせていて、人を怖がる彼らにとってもここは大切な場所だった。


だから…、いつもだったら人影を見ただけで逃げてしまうフェアリー達が、彼の周りに群がり始めていたことにもすごく驚いた。


(…てことは、変な人ではないはずよね。)



「隣に座っても宜しいですか?」


「あ…はい、どうぞ」



綺麗な顔立ちの彼は、こちらに眩しい笑顔で応え、隣で膝を付いた。


(……きっとこういう人を本物の『白馬の王子様』って言うのね。どこの国の王子様なのかしら…)



「クスッ、西の国ですよ」

「そうなのですか……ってえぇ?!」



彼に心の声を見透かされ、驚きを隠せず私はつい、変な声を上げてしまい…恥ずかしい。



「姫の声、丸聞こえでしたよ」


「……し、失礼致しました////」



王子様はクスクスと微笑んでいて…その笑顔が、先ほどの眩しい笑顔とはまた違い、なぜかすごくドキドキする。


(……変ね、どうしちゃったのかしら、私…)



「実は、今日こちらを訪ねたのは、姫にお願いがあって参りました」


「わたくしに、ですか?」

「はい」



彼の表情は突然、真剣な眼差しに変わり、大切な話をし始めた。



「あなたにしか頼めない事があるのです――…」



私はそんな彼の真剣な……けれど、どこか切なそうな表情から目が離せないでいて。


(初めて会ったはずの人なのに…なんでこんなに引き込まれるのかしら……不思議―――。)


でも、どんな頼みにせよ、彼のために出来ることがあるなら…お役に立ちたいと思う。



「わたくしで、お役にたてるのでしたら、是非」


「ありがとうございます。
………実は、先日私は悪い魔法使いと出会い、呪いをかけられました。」


「え……」



(―――そういえば、最近西の国で不幸があったと、風の噂で聞いた気がしたわ。)


でもそれが、直接王子様に降り掛かったものだったなんて。



「私はその呪いを解くべく祖国を出て……そしてこの国にあなたが居ることを思い出し、こちらを訪ねたのです。」



彼の呪いの内容も気になったけれど、それ以上に引っ掛かることがあった。


(王子様はなぜ私をご存知だったのかしら…。)


普段、社交場に参加することなんてない私が、遠い国の王子様に知られる機会なんてないはずなのに。



「どうして王子様は、わたくしをご存知なのですか?」


「えぇ……実は、姫と私は幼い頃、この場所で出会っているんですよ?
呪いによって名や容姿も変えられてしまったので、髪の色や目の色も今は異なりますが…」


「そ、そうだったのですか、すみません、思い出せず…」


「いえ……これも呪いですから…。」



王子様はさらに辛そうな顔でそう答えたので、彼を思い出せないかと思考を廻らせたが、どうしても思い出せない。


(ここで出会った人を忘れるはずなんてないのに…。)


でもそれが彼の言う『呪い』だとしたら、仕方ないのかもしれない。



「…お名前も変えられてしまったのですか?」


「はい、呪いのせいで昔の名は誰にも思い出せないのです」


「……。」



(でも、そんな強力な呪いを前に、私なんかに一体何が出来るって言うの…?)


王子様の言う『頼み事』が、少し不安になってくる。



「それで、王子様の頼み事とは一体どのようなものなのですか?」


「あなたには、私に新たに魔法をかけてもらいたい。」


「………魔法です…か?」

「はい」



勿論私は只の一国の姫なので、魔法をかけたことはないし、習ったこともない。


(魔法には勿論憧れるけど…どういうことなの?)



「……魔法使いがかける魔法ではないですよ。もっと簡単なものです」



この時は、彼の言う魔法の意味が全くわからなかった。



「それで、王子様の魔法は解けますか?」


「そう…信じてます。」


「でしたら協力致します。わたくしも早く、王子様のことを思い出したいですし」


「……ありがとうございます。そう言って下さると信じておりました。」



彼の笑顔を見ると、鼓動が跳ね、早くなっていくのがわかる。


(……呪われていてもやっぱり王子様ね。普通、こんな神々スマイル出来ないわよ。)



「それで、具体的に何をすれば…?」


「…姫は、呪いというのはどう解くかご存知ですか?」


「いえ…」


「…言い伝えでは、呪いは愛するものからのキスで解けるといいます」


「え?」



(い、今、この人なんて言ったの…??)



「『惚れた女からかけてもらう魔法は絶対』と、別の国で呪いを解くヒントも得ました」


「…え?え?…ということは…?」

「お願いします。」



(うええぇぇぇぇぇぇぇぇえええ?!!)



「ちょ、ちょっと待って下さい!だ、だったらその『惚れた女性』に頼むべきでは…」



王子様は小さく溜め息をついて、答えた。



「……相変わらず鈍い人ですね。
今私の目の前に居るあなたがその女性だと、伝えているつもりなんですが。」


「お、王子様は私のことがす、好きなのですか…?!」


「はい、愛しています」


「/////」



まさか出会ったばかりの人に『愛してる』なんて言われるなんて―――…。


予期せぬ展開に、戸惑いは隠せない。



「…姫は私のことがお嫌いですか?」


「ま、まさかっ!」


「……先ほど私のことを思い出したいと言って下さったのに…」
「う…」



確かに、『キス』の魔法は絶対だし、呪いを解くことも出来るかもしれない。


でも、生まれて17年間キスなんて一度もしたことがないし、それも私からだなんて…。


(恥ずかしすぎるけど、でも―――…)



「……同じように、愛して下さいとは求めません、ですが…」
「それは嫌です!」


「え?」



私は、いつか『白馬の王子様』が迎えに来て、その方に一目で恋に落ち、宮殿へ招かれると信じていた。


…その方が呪いにかかっているなんて予想外だったけれど
(だって普通、こういうのは姫の呪いを王子様が解くものじゃない?)
でも、その王子様が彼なら……私は嬉しい。



「あなたが愛して下さってるのに、わたくしは違うなんて嫌です!
……あなたを呪いから救いたいですし、わたくしも出来ればあなたを愛したい!…そう…思っていま…す」


「……姫」


「で、ではいいですか…?」


「はい、お願いします」



彼の頬に両手を当てて、私の鼓動はきっと彼にも聞こえてしまうほど大きくなっていた。





skip.jpg




「……やっぱり、やめましょうか」


「え?」



唇まであと数ミリの距離のところで、彼は突然私の手を掴み、微笑んだ。


「姫を愛していますが、呪いを解くためだけのキスはなんだか嫌になりました」

「……。」


「姫が私を愛してくれて、その時が来るまで待ちます」


「…で、でもそれでは呪いが…」


「あなたが一緒に居てくれるだけで呪いには勝てる気がします」


「私と一緒に『居て』頂けますか?」



王子様のことが、もっとよく知りたい。
名前や、育ち、そしてここで出会った時のことも思い出したい。


私もあなたと一緒に居たくて………そして、あなたを愛したい―――。



「はい、喜んで…」







☆終わり☆
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